超未来STORY Vol.2「共創」
2085時代背景
地球温暖化の影響で未曽有の自然災害が頻発し、地上の多くが壊滅状態に。それに伴いほとんどの人類は、地下・海中・宇宙へと移住していたが、地上への帰還を求めるムーブメントも起きている。しかし、地上の過酷な環境下では十分な作物を得ることができず、深刻な食料自給力不足に悩まされており、新たな栄養源の獲得が世界中の共通課題となっていた。食料に替わる新たなエネルギーを獲得するべく研究が重ねられているのは光合成だ。35億年前の生命誕生の瞬間から生物が環境に合わせて進化したことと同じように、人間も2085年の環境に適した進化が必要である、という思想に基づき、光を栄養に変換する触媒技術が確立。本来生きる上で必要な栄養分の3割程度を光から補えるようになった。また、宇宙で発見された新素材により、過酷な環境下で育つ植物の育成技術の進化も見られ、動植物がいきいきと暮らす自然の姿を蘇らせるための活動は加速していた。
シナリオの主人公
Name
カルロス
Gender
男性
Age
55
Stay
メキシコ
Occupation
環境アダプテイター
地下・海中・宇宙に居住する人々が地上へ移住するためのコーディネートや、荒廃した土地を人の住める環境に開拓する環境アダプテイターとして従事。自身も未曾有の自然災害から奇跡的に生還した被災者でもある。
自然災害で荒れ果てた地球だが「生まれ育った地で何とかして暮らしたい」という人々は後を絶たない。地上への移住希望者をコーディネートするカルロスの顧客は、個人から行政まで多岐にわたり、連日相談者が訪れる。今回相談に来たのはアンデス山脈に住んでいた民族の末裔。かつて祖先が住んでいた場所に戻って暮らしたいという要望だ。現在のアンデス山脈は、環境は過酷だがまだポテンシャルが残っている「居住エリア開拓地域」に指定されている。土壌は酸化していて植物は育ちにくく、気候変動が激しいが、陽の光だけはたっぷりと降り注ぐ場所であった。カルロスは、AIによって詳細なエリア環境と生きていくための条件と選択肢を調べ上げていく。結果は「移住可能」。ただし、食料が乏しいため生活者自らが光合成を行う必要がある。カルロスは、人工葉緑体を体内で製造するマイクロナノマシンを埋め込む手術の手配を行った。これで光を栄養分に変えることができる。相談者は無事故郷に戻れることをとても喜んでいた。後日、アンデスの地の戻った相談者から感謝のメッセージが届く。荒れ果てた地だとしても、強い想いがあって戻りたい人の願いを叶える度に、カルロスはこの仕事のやりがいを感じている。かつての故郷に戻って幸せな日常を送っている人々の笑顔を見ることが彼の仕事のやりがいだ。
カルロスは環境アダプテイターとして、荒廃した森林環境の改善も行っている。とりわけ大きなプロジェクトは、緑が失われ荒れ果てたアマゾンの復興だ。土壌改良には様々なテクノロジーが駆使されており、植物のエネルギー吸収率を爆発的に高める土壌を作るピコマシンは宇宙で見つかった新素材で作られている。また、光合成を応用した品種改良によって通常の2倍の速度で育つ樹木は、森林を蘇らせることに大きく貢献してくれるはずだ。カルロスはそれらをAIがシミュレーションしたデータを元に進めていく。まず手始めにテスト農場で土壌適応性が高いジャガイモを育ててみたところ無事収穫は成功。ポテトフライを作り同僚に振る舞うと、みんな「美味しい」と喜んでくれた。荒れ果てていた状態を知っているカルロスは、プロジェクトが前進した手応えを感じた。同僚からはガラパゴス諸島のプロジェクトで、光合成の技術が動物にも応用され生態系が取り戻されつつあるという話を聞いた。一歩ずつではあるが着実に過去の環境を取り戻していることに喜びを感じつつ、まだまだやるべきことがたくさんあると気を引き締めた。すぐ元通りにはならない。しかし、いつかあの素晴らしい自然が蘇ることを信じ、カルロスの挑戦は続く。
このシナリオから考えられる
希少性と田中貴金属の役割
この時代の希少性
かつての豊かな自然や人々の暮らし
田中貴金属の強み
光を栄養に変換する触媒技術及び人体や動植物への移植可能な極小サイズのマシン開発や、ハプティクス技術に使用する人体親和性の高い素材の振動モーター・センサーの開発
田中貴金属の役割
過酷な環境に生命が適応する技術の開発・提供や、地球内外で新たに発見される希少な素材の用途を研究開発する最先端の企業
この未来に至るまでの
時代の変遷
2070ー2080
希少性の価値
かつてあった大自然と地上での豊かな暮らし
人の幸せ
健全な地球を蘇らせる、という人間の実感
年代の未来洞察
- 光合成などの順応技術が徐々に広がり、富裕層を中心に地上への移住が増加
- 富裕層以外でも過酷な環境下の地上へ移住を希望する人々が増加
- AIによる過酷環境への順応シミュレーションが可能に
田中貴金属の強み
光を栄養に変換する触媒技術及び人体や動植物への移植可能な極小サイズのマシン開発や、ハプティクス技術に使用する人体親和性の高い素材の振動モーター・センサーの開発
田中貴金属の役割
過酷な環境に生命が適応する技術の開発・提供や、地球内外で新たに発見される希少な素材の用途を研究開発する最先端の企業
2065
エネルギー不足や食糧危機を乗り越える技術の実現
2050ー2060
希少性の価値
地上での暮らし
人の幸せ
地上で安心して暮らせること
年代の未来洞察
- 世界でゼロカーボン施策が進むが環境破壊に追いつかない
- 地上資源の枯渇により人類は海中で生活
- 宇宙での太陽光発電基地が開発される
田中貴金属の強み
生体適合可能な素材研究と人工関節技術の開発、3Dプリンタによる素材加工技術
田中貴金属の役割
身体を進化・補完する技術を提供する企業
2045
新たな住処や資源を求め海底や宇宙へ進出
2030ー2040
希少性の価値
安全に暮らせる居住エリア
人の幸せ
生活環境の心配をせずに安心して暮らせること
年代の未来洞察
- 地球温暖化が進み、かつてない規模の大地震、大干ばつ、大洪水、火山の大噴火等が頻発する
- 気候変動に伴い未曾有の病原菌のまん延が恒常的に発生
- 自然災害や病原菌への対応が一国の力では追い付かなくなり、通常稼働の国は常にどこかの被災地を救済せざるを得ない状況のため、自然と戦争や紛争が減る
田中貴金属の強み
新種の病原菌の検査キット、治療薬の開発と供給力
田中貴金属の役割
生命の安全安心を支援する技術を提供する企業
NOW
この超未来STORYの
編集メンバー
-
TKK 新事業開発統括部
H.S
-
TKJ GINZA TANAKA
T.K
-
TD 技術部
J.C
-
TANAKA未来研究所
A.O
Illustration by Runa Sato
この未来がオモシロイ!と
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※各STORYは架空の話です。
実際の田中貴金属の商品、
サービス等とは一切関係がありません。