超未来STORY Vol.2「共創」
2085時代背景
世界的な食糧危機に直面した人類は、数少ない食料資源から開発したサステナブルなジェネリックフードにより、その危機を乗り越えることに成功した。ただ、相変わらず充分な食糧の確保には至っておらず、原料を応用して自然の味に似せるフェイクフードも大幅に進化はしているが、自然が生み出す「本物の味」に対するニーズは高まるばかり。農地・牧草地は減少し、天然・養殖事業も衰退。肉や魚、野菜や果物は超希少品として価格が高騰し続けている。リアル食材を日常的に食べる機会は著しく減少し、若い世代においては生まれてから一度も食べたことがない人すらいる状態だ。その食糧事情を救うために注目されているのが菌の存在。菌や発酵の研究・開発によって、食べ物とみなされていなかった植物や生き物、土や浄水前の水でさえ、フェイクを超えた新しいおいしさを提供する「オルタナティブフード」として活用されはじめた。輸送コストも安く、宇宙を取り巻く食の救世主として菌と共創する食の活用が広がりを見せている。
シナリオの主人公
Name
オーロラ・
スターフィールド
Gender
女性
Age
34
Stay
宇宙ステーション
Occupation
宇宙総合商社の営業マン
地球・宇宙を飛び回って仕事をしていた両親に憧れ、宇宙総合商社の営業マンとして活動。食事の時間より仕事を優先し、毎食サプリメントで済ませているビジネスキャリアウーマン。
地球や宇宙を飛び回って働くオーロラは、兼ねてから取り組んでいた大きなプロジェクトを実現させるための業務に追われ、ここ数日はサプリを中心とした必要最低限の食事で済ませていた。そんな最近の生活事情を火星のクライアントと雑談していると、今火星ではかつて地球で食べられていた「ハンバーガー」が流行しているという話題を聞く。ハンバーガーのパティには牛肉が使用されていたはずだが、火星にはもちろん牛肉は存在していない。どんなハンバーガーが流行しているのか気になり、火星出張の機会に人気のハンバーガーショップを訪れてみることにした。ショップの看板には「オルタナティブバーガー」と書いてある。店内に入り注文を終えたオーロラは、提供されたハンバーガーを見て一瞬ギョッとした。バンズに挟まれているのは牛肉を使ったパティではなく、見るからに怪しい物体だったからだ。とはいえ、人々がひっきりなしに訪れ、みんなハンバーガーをおいしそうに頬張っている。オーロラも恐る恐る口に入れてみて驚いた。それは、かつて地球で食べたハンバーガーそのもの。いや、それよりも数段おいしく感じる。あっという間に食べきった後、店主に話を聞いてみると、菌の培養によってハンバーガーの味を再現した「オルタナティブフード」の一種であることを知る。「菌を使うことによってこんなに素敵な食体験が再現できるんだ!」とオルタナティブフードに興味と可能性を感じたオーロラは、一種の高揚感を感じながらお店を後にした。
オーロラは火星で食べたハンバーガーをきっかけに、オルタナティブフードにビジネスチャンスを感じていた。なぜなら、火星や月など宇宙に住んでいる人たちは食事の原材料を得る方法がなく、地球と同じ味を楽しむことができなかったからだ。菌であれば、異なる食材でも同じ味を再現することができるし、宇宙間の高額な輸送コストをかけずに多種・大量に運搬できる。オーロラは早速、菌の研究を行っている企業と協業し、地球上の様々な食材や料理の味が再現できる菌を開発。各惑星の機関に営業をかけた。そうして生まれたオルタナティブフードシリーズ「Earth Taste 」は、火星や月でも地球と同じ味が楽しめると瞬く間に大人気となり、今やオーロラの会社の売上の主軸になるまで成長している。オーロラは火星に開いた自身の店で、日本のモツ鍋を再現したオルタナティブフード食べている家族を見かけた。「これはお父さんが地球で食べていた鍋と同じ味だぞ」と得意げに子どもたちに自慢している姿は微笑ましく、自分の仕事のやりがいを感じる瞬間でもあった。
このシナリオから考えられる
希少性と田中貴金属の役割
この時代の希少性
肉や魚、野菜や果物などのリアル食材
田中貴金属の強み
地球内外で発見した新種の菌や発酵の研究・開発
田中貴金属の役割
菌を活用し、新たな食文化を創造する企業
この未来に至るまでの
時代の変遷
2070ー2080
希少性の価値
リアルな食材の確保
人の幸せ
かつて味わった食の美味しさを愉しむこと
年代の未来洞察
- 世界的な食糧危機は解決し、地球環境に優しいサステナブルな新しい食文化が世界的に広がる
- サプリの普及により全人類の健康面が改善
- リアルフード/オルタナティブフード/ジェネリックフードが共存している
- 月や火星への移住が一般的に広がる
田中貴金属の強み
地球内外で発見した新種の菌や発酵の研究・開発
田中貴金属の役割
菌を活用した食文化を創造する企業
2065
既存の食料以外を食べる新たなる食文化の誕生
2050ー2060
希少性の価値
多種多様な食材の確保
人の幸せ
制約のない自由な食生活が送れること
年代の未来洞察
- 世界人口が大幅に増加し、食糧が不足気味となっている時代
- 絶滅種/絶滅危惧種の大幅な増加
- 土壌だけに囚われず、大規模な食糧プラントでの大規模栽培が主流
- 栄養をサプリメントで取る人々も多数出てきた
田中貴金属の強み
フードロス0に貢献するリサイクル技術/分析技術、大規模食糧プラントを管理するセンシング技術、菌・微生物による土壌改良研究開発
田中貴金属の役割
食料危機を解決するための技術を開発提供する企業
2045
人口増加に伴う食料の需要と供給のバランスの崩壊
2030ー2040
希少性の価値
過度な食材の消費
人の幸せ
無駄のない食生活を実現すること
年代の未来洞察
- 世界中でフードロス0の運動が加速し、フードロス0がほぼ達成されている時代
- 食糧供給ルートは確立しているが、食糧による貧富の差が世界中に広がっている
- 食糧プラントによる食料の供給が開始
田中貴金属の強み
フードロス0に貢献するリサイクル技術及び分析技術
田中貴金属の役割
フードロス0実現に向けたリサイクル技術を開発・提供をする企業
NOW
この超未来STORYの
編集メンバー
-
TKK 新事業開発統括部
T.K
-
TD 技術部
H.T
-
TKK PGMカンパニー
T.M
-
TKK 新事業開発統括部
M.M
-
TANAKA未来研究所
Y.K
Illustration by Ochiai Nanami
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※各STORYは架空の話です。
実際の田中貴金属の商品、
サービス等とは一切関係がありません。