DOCK2085 超未来構想プロジェクト

超未来STORY Vol.2「共創」

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2085時代背景

生活において「思考・思想・体験」に価値が生まれ、人間としての魅力を磨きたいという欲求が広がっていた。それに伴い、AI解析を駆使して価値判断基準を提供する機関と倫理的観点をチェックする「倫理マン」が世の中におけるスコアを決定し、GOLDと紐づける仕組みを作り出していた。スコアを決めるベースとなるのは社会的影響度や貢献度。世の中に対して有益かどうかが重要視され、人それぞれが持つ個性やオリジナリティはほぼ影響しない。結果として規律が守られ目に見えて社会が良くなったものの、画一化された生活や没個性が良しとされる風潮に疑問や不満を持つ人々も潜在的に存在していた。評価軸に反映されないアイデンティティを持つ者は「自分らしさとは何か?」について改めて考えることとなる。

シナリオの主人公

Name

No. AB365

Gender

男性

Age

30

Stay

火星

Occupation

アイデンティティ市場創造部の社員

田中貴金属工業のアイデンティティ市場創造部に所属する社員。趣味は筋トレで、肉体を鍛えることが人生を豊かにすると考えている。アイデンティティを活用した新規事業開発に取り組んでいるため、お金に価値がなくなった時代の価値基準に興味がある。

AB365が所属する田中貴金属工業 アイデンティティ市場創造本部のクライアントは、個人から行政まで多岐に渡る。行政のクライアントの相談は様々だが、行き着くところはいつも同じ。「評価基準が標準化し、革新的なアイデアや人材が生まれにくい」という課題に頭を悩ませることになる。かく言うAB365本人も、自身が認識しているアイデンティティが、現在の評価基準に当てはめると評価されにくいという点に疑問をもっており、AIの解析をベースとした現状の判断基準には限界を感じていた。何としても多数のクライアントが抱えるこの課題を解決したいAB365は、判断基準にオリジナリティを含めた新たな評価軸を構築する演算方法のアイデアを思いつき、エンジニアリングAIと共に開発を行う。AB365が開発した演算方法は多様性の要素を判断基準に含むため、AIによって世の中における評価が低いと見なされてきた人々を救う画期的な演算方法であった。現在、AB365が開発した価値判断システムは、過疎化で悩んでいた小規模コミュニティにも導入され移住希望者が増加。多様性あふれる豊かなコミュニティのモデルケースとして世の中に認知されている。また、AB365もそこへ移住し、自分らしいアイデンティティを日々磨いている。

AB365は自身が開発した評価システムが、今後どのように運用されるのか検証するため大規模なシミュレーションを試みた。時は2185年。宇宙全体には多様性があふれ、各個人が幸せを感じている一方、社会的なコントロールが効かない問題も徐々に表面化している。計算外だったのは多様性の価値観も常に変化し続けるということだ。多様性そのものを規定する新たな認知が広がったため、そのバランスが崩れ、規定する枠内に入らないものを排除しようとする動きが生まれてしまった。直近では、体を鍛え上げ筋肉を愛するコミュニティと身体改造によって能力を引き上げるコミュニティが、それぞれの主張を繰り広げ、人種差別が火種となって大きな衝突も起きた。こうしたコミュニティ間の諍いは絶えず、宇宙一体で常に緊張状態が続いている。司法の仕組みもAB365が開発したシステムをベースにしているため、互いを尊重するだけで「結論なし」「解決不可」という結果しか導かれず機能していない。やがて、各コミュニティはそれぞれに独立国家宣言を行う。個人のアイデンティティに対する評価は不安定となり、宇宙産業や未来産業の発展に必要不可欠で価値が安定していたGOLDを奪い合う宇宙大戦争時代に突入する。AB365はこのシナリオを目の当たりにし絶望する。最悪の結末を目撃したAB365は、アイデンティティをどこまで評価するべきなのか答えが出ず頭を抱えるが、未だ結論はでていない。

このシナリオから考えられる
希少性と田中貴金属の役割

この時代の希少性

他人にはない個性やアイデンティティ

田中貴金属の強み

有史以来、人類が持ち続けてきた貴金属への信頼と存在意義

田中貴金属の役割

貴金属で個人のアイデンティティを評価・認証・保証する企業

この未来に至るまでの
時代の変遷

詳しい年表はこちら

2070ー2080

希少性の価値

思考・思想・体験に基づく自発的な表現

人の幸せ

自分らしさに認証と保証が付与されること

年代の未来洞察
  • ベーシックインカムの定着により,生活のための仕事は無い
  • 貨幣経済支配の崩壊
  • 生きる意義を見失う時代
田中貴金属の強み

有史以来、人類が持ち続けてきた貴金属への信頼と存在意義

田中貴金属の役割

貴金属で個人のアイデンティティを評価・認証・保証する企業

2065

ベーシックインカム浸透により、生活のために仕事をしない人が増加

2050ー2060

希少性の価値

築き上げてきた個人の信用

人の幸せ

個人の言動の蓄積に貨幣価値が生じること

年代の未来洞察
  • 格差是正のためにベーシックインカムの導入が始まる
  • 才ではなく徳に貨幣価値を付与する傾向
田中貴金属の強み

貴金属取引の公正さ、量の多さ、及び保管期間の長さ

田中貴金属の役割

個人信用のストック化を貴金属で担保する企業

2045

貧富の格差是正のためのベーシックインカム本格導入が始動

2030ー2040

希少性の価値

築き上げてきた個人の貨幣を伴う取引実績

人の幸せ

より多くの金融資産を持つこと

年代の未来洞察
  • 貧富の格差が極大
  • 貨幣経済支配の低下
田中貴金属の強み

貨幣価値の担保となる貴金属の公正な取引

田中貴金属の役割

地金の品位保証をする企業

NOW

この超未来STORYの
編集メンバー

  • TKK 化学回収カンパニー

    R.K

  • THD 人事戦略本部

    Y.I

  • TKK AuAgカンパニー

    M.T

  • TANAKA未来研究所

    T.I

Illustration by Honda Wakana