超未来STORY Vol.2「共創」
2085時代背景
過去から現在に至る膨大なデータの蓄積と、十分なシュミレーション能力によりあらゆる予測が可能になった時代。しかし無限に増える予測結果を前に、人々は何を選択するべきか分からなくなっている。この問題を解決するため、人の幸せを実現する「根源的な欲求や原動力」に焦点をあて、好奇心旺盛な子供の発想力を活かす構想が生まれる。それが「Dreamer計画」と呼ばれるプロジェクト。人々が蓄積してきた知識・経験をデータとして読み出し、それを子供の脳に習得・経験させることで人類としての最新知識をインプットする。謂わば、過去の人々の叡智と自由な発想の子供による共創プログラムだ。「Dreamer」と呼ばれるその子供たちが示す好奇心は、人が根源的に求める未来の指針を描き出し、本当の価値ある未来を明らかにする。
シナリオの主人公
Name
EVE
Gender
女性
Age
6
Stay
Dreamer
計画用国立公園
Occupation
Dreamer
人類の最新知識を好奇心旺盛な子供の脳に習得させる共創プロジェクト「Dreamer計画」に参加。Dreamerの一人として自然豊かな国立公園で自由に生活しながら、「人が根源的に求める進化の方向性」のヒントを人類に提供している。
EVEは企業と行政の相談者たちとクリーンエネルギー開発について話をしている。相談者は「空気を汚さないでエネルギーを作ることができないかな?」と疑問を投げかける。「空気の汚れねぇ…だったら町全体をすっごく大きな空気清浄機に入れてみたらいいんじゃない?汚れた空気は宇宙にポイしちゃってさ」。EVEの発想は無垢でシンプルで、好奇心の赴くままだ。「ただ、その装置を動かすエネルギーを作るためにまた空気が汚れてしまう…」と返す担当者。EVEはすかさず「なら、汚れを出さないでエネルギーを作っちゃえば?例えば量子エンジンとか!」とアイデアを重ねる。相談者は「量子エンジンか…」と考えはじめ、解決の糸口が見えたことでやや興奮気味に帰っていった。EVEと対話することによって生み出されたアイデアが、実際に製品化や実用化されることも少なくない。実際にこの数カ月後、「排出物ゼロの量子エンジンを使ったエネルギーの供給」の可能性について大規模なシミュレーションが行われ、数年後には世の中に広がることとなった。
Dreamerの好奇心を育むため、EVEの住む国営公園には自然が溢れ、多数の野生動物が生息していている。まるでサバンナのような環境の中でいつものように遊んでいると、EVEの前で突如、山猫同士の取っ組み合いが始まった。いきなり始まった争いを咄嗟に止めようとするEVEに、「そもそもなぜ自分たちと同じ生き物なのに、山猫の声は理解できないんだろう?」という素朴な疑問が浮かぶ。「山猫の気持ちを理解したい」という好奇心は、繰り返し耳を澄まして声を聞くうちに、言いたいことや気持ちが少し分かったような感覚を覚える。その声をサポートAIで解析することを思いついたEVEは、山猫の鳴き声と自分が読み取った感情の仮説を入力していく。できあがった生成データを使い、サポートAIの発声機能で山猫とのコミュニケーションを試みると見事成功。無事2匹を仲介し争いを収めた。これは様々な人の経験や知識を一人の脳に習得させたことで、当初のDreamer計画の目的とは異なる「新たな感覚の発現」という効果が確認された出来事であった。EVEのこの成果は、動物の言語を理解する要素技術として進化し、動物の感情を汲み取った自然のあるべき姿の構築に活かされていくことになった。
このシナリオから考えられる
希少性と田中貴金属の役割
この時代の希少性
人が持つ根源的な好奇心
田中貴金属の強み
人の記憶を読み出し・データ化するためのセンサーと人の記憶を再現するハプティクスデバイスの開発
田中貴金属の役割
人の記憶を管理・提供する記憶データサービスに関わる企業
この未来に至るまでの
時代の変遷
2070ー2080
希少性の価値
人が持つ根源的な好奇心
人の幸せ
人が真に求める発展ができること
年代の未来洞察
- 計算科学の発達により、技術進化の予測が可能。
- 計算量は無限に増え、リソースを抑える必要がある。
- 人間が根源的に求める進化の方向性が分からなくなっている。
田中貴金属の強み
人の記憶を読み出し・データ化するためのセンサーと人の記憶を再現するハプティクスデバイスの開発
田中貴金属の役割
人の記憶を管理・提供する記憶データサービスに関わる企業
2065
技術進化の正確な予測が可能になり、人々の「発展」への関心が希薄になる
2050ー2060
希少性の価値
人の記憶
人の幸せ
他人と記憶が共有できること
年代の未来洞察
- 人の記憶のデータ化が可能記憶データの活用方法が検討されている
- 人の思考のシュミレーションが確度を増し、計算科学による事象の予測技術と、統合され始める
- 記憶データは厳格な管理の下、運用されている
田中貴金属の強み
人の記憶を読み出す装置に不可欠な部品を提供
田中貴金属の役割
人の記憶の再現や、記憶を読み出す装置開発に不可欠な企業
2045
量子コンピューターの運用が本格化し、シュミレーション技術が飛躍的に向上
2030ー2040
希少性の価値
脳の仕組みを解明可能な計算能力
人の幸せ
記憶を自己表現として使えること
年代の未来洞察
- 量子コンピューターが活用され始める人の「脳の活動」と「記憶」の仕組みが解明される
- 記憶をデータとして保存できる可能性が見え始める
- 不完全な技術であっても「記憶のアーカイブ」が社会トレンドとなる
田中貴金属の強み
量子コンピューターに不可欠な部品や生体親和性が高い材料の加工、提供
田中貴金属の役割
生体親和性の高い材料の加工、提供が可能であり、人の脳の仕組みの研究に関わる企業
NOW
この超未来STORYの
編集メンバー
-
TKK 化学回収カンパニー
K.W
-
THD 人事戦略本部
S.O
-
TKG
K.T
-
TANAKA未来研究所
M.I
Illustration by Hayashi Ryouhei
この未来がオモシロイ!と
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※各STORYは架空の話です。
実際の田中貴金属の商品、
サービス等とは一切関係がありません。